カロッツエリア-4(終)

 やっとピニンファリーナ。もはやフェラーリ御用達のデザイナーとして、ベルトーネ系の角張ったデザインに対し流れるようで優雅なデザインが特徴である。だが私にとって、ピニンファリーナはこの「モデューロ」のことだ。1970年という何故か私のトラウマになっている年に発表された。PF 512Sというナンバーから、このモデルはフェラーリ5?V12気筒エンジンを搭載したレーシングカー521 Sをベースにしている。今見るとちょっと昔風のSFチックさで、ふと笑いがこぼれる。
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 1960年代後半から1970年代前半のフェラーリは、V8ミッドシップのDinoやV12ながらフロントエンジンのDaytonaから前々回に紹介したほとんど唯一かも知れないベルトーネデザインの308GT/4 2+2を経て、エンジンを座席の後ろに積むミッドシップレイアウトをとる有名なBB(ベルリネッタ・ボクサー)のスーパーカー群への移行してい行く時代なのだ。
 「もぐらのつぶやき」4/3で登場した画像のあのクルマは、「バードケージ75」と呼ばれ、実は「モデューロ」の復刻版としてデザインされた。なるほど何となく感じが似ているし、私がモデューロを思い出すのも当然なのかも知れない。
 最近のフェラーリはF1をイメージしてデザインされているらしく、残念ながら個人的には首をかしげるしかないが、さすがに後ろ側面からの造形は相変わらず見事である。まあ、どうあがいても買えないし、F40が投機の対象になったのを機会にフェラーリへの興味が失せたのも、もしかしたら今に至るデザインが好みでないのかも知れない。ちなみに白状すると、個人的に一番気に入っているモデルは288GTOなのだが。

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