音楽・芸術: 2008年6月アーカイブ

 6/27レイモン・ルフェーブル氏が亡くなった。78歳。一昨年のポール・モーリアに続く、イージーリスニングの巨星の逝去。残念です。


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 私は「イージー・リスニング」という言葉が好きだ。Easyと言う言葉の軽さ?を非難する方もいらっしゃるようだが、もはや好きなように聞けばよい、楽しんで聞いてくれ、リラックスできるでしょ、と言うスタンスが私には心地好い。

 ポール・モーリア、カラベリ、フランク・プゥルセルらとイージー・リスニング界を牽引してきた彼のアレンジは、極めて秀逸である。ただしどなたが言い出したのか知らないが、曲の「当たり」と「ハズレの」大きさも他のアーティストに比べ並ではない、と私も思うww。最も有名な「シバの女王」は、王者?ポール・モーリアさえ及ばない素晴らしいアレンジだし、ジェットストリームのエンディング・テーマだった「夜間飛行」も良い。蛇足だが、あの印象的なオープニングの「ミスター・ロンリー」はフランク・プゥルセル。放送初期には微妙なエコーがかけられていたと記憶しており、オリジナルを聴いて違和感をおぼえたことがある。


 ポール・モーリアと良く比較されるが、ピアニストのポール・モーリアがミレイユ・マチューをバックアップしていた事やシャルル・アズナブールのバックグラウンド・オーケストラをつとめたのに対し、フルート奏者のレイモン・ルフェーブルのデビューがダリダのバックグランド・オーケストラだった事やダニエル・リカーリと来日していたのも何となく似ているようだ。

 典型的な軽いポップスとか南米っぽいアレンジが多いポール・モーリアに対して、どちらかというとクラッシックの重厚さを残したアレンジが特徴だと思う。また自らディスコアレンジの曲を録音したディスコブームの際にも、レイモン・ルフェーブルは自らの路線をほとんど変えようとしなかったと記憶している。チェンバロ(ハープシコード)をイージー・リスニングに導入した感が強いのはポール・モーリアの方だが、反面意外にチェンバロを使った曲が多いのはレイモン・ルフェーブルの方だと思う。
 彼のステージの締めは、自作の「カデ・ルーセルCadet Rousselle」だったが、その後オープニングに変更なったようだ。「ただ愛に生きるだけUn Jour L'Amour」「想い出に生きるApres Toi」など、心に残る曲も多い。

 日曜日のNHKラジオはかま満緒の「日曜喫茶室」のテーマ曲は、レーモン・ルフェーブルの「Save Your Kisses For Me」。Brotherhood of Manがオリジナルのこの曲にも一言あるのだが、また何時か・・・。

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 懐かしい「ステレオ・ラボラトリー」シリーズだが、高音質(高レベルかも)の選択はレイモン・ルフェーブルの方。ポール・モーリアはディスコバージョンを45rpm盤で対抗したが、ユーザーが何を望んでいたのかをよく判っていなかったのだろうと思う。だがポール・モーリアの弁護をすれば、恐らく彼の十八番の「恋はみずいろ」や「エーゲ海の真珠」の録音が古かったか、マスターテープの音質が今イチだったのだろう。確かに当時の技術ではそのリカバリーは困難だったはず。

 有名な「シバの女王」だが、正確な発音は「サバ(Sheba)」に近いらしく旧約聖書に登場する国の女王とのこと。イエメン説とエチオピア説があるようだが、決して東アジアではない。ミシェル・ローラン作曲だが、恥ずかしながらミシェル・ルグランと混同していた私・・・。


 ご冥福を祈りたい。合掌

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