何も知らない方が今日のBlogをご覧になると、不安を煽るだけの話になってしまうかも知れません。しかし、現実(と理想)を少しでも知っていただけたら良いと思うのです。
今週の水曜日と木曜日それと今日土曜日に、錦糸町で開催されているシロクスフェア。そこで展示されている機器の一つであります。自動洗浄機ですが、オートクレーブ等で不活化できないプリオンなどの付着物を、専用洗浄剤と専用器具にて洗い流す、いわば医科専用の自動食器洗浄機です。しかし、こんな手間を掛けて消毒を行っている一般の歯科医院など、現実には皆無でしょうね。しかもこれを行わなかったと言って、重篤な院内感染症があったという報告も聴きません。実際、大学病院などでもこういう洗浄をしているのかは知りません。
そして、それに呼応するようにモデルチェンジをし始めたKaVo製ハンドピース。
(上が従来機種、下が新型)
表面がややつや消しでギザギザを廃止し、汚れが付着しにくい仕上げに変更されました。シロナのハンドピース類は既にこのような状態になっておりますね。おまけに若干ヘッドの角度まで変わってきていますし、やや長くもなっている・・・。一方、下は同社のマイクロモーターです。ヘッドを従来機種のものを流用しているので、取って付けたようなちょっと違和感があります。
(上が従来機種でヘッドが交換できる。下が新型でヘッドだけは従来のものである)
今までの同社のハンドピースは細かいと言うか特徴的なギザギザがあり、滑りにくいとも言えましたが痛いくらい出っ張っていて、スタッフの間でも時々クレームのあった形状でした。しかしそんなこんながあっても、同社のハンドピースを開業以来使用し続けて来た理由は、システマチックなカプリングとアタッチメント類の妙であります。
しかし感染防止などと言う昨今のトレンドの前では、そんな昔のアイテムなど無意味になってしまうのも悲しいかな事実なのでしょうね。
ただ理想をぶちまけるもの結構ですが、KaVoさん、一般診療用のハンドピースのデザインを変えるのは結構だが、外科用のハンドピースがそのままなんておかしいんじゃない??大体日本で15年前、感染防止のサックバック装置なんて騒がれた時、KaVoは?と尋ねて返ってきた答えが「必要なし」。で、今や全てのKaVoユニットに装備して、「サックバックの危険性はないので外装の洗浄だけ・・・」なんて、実に都合の良い、てかそれがドイツの合理性なのかい?って思うんですよ。
ドイツ製ユニットユーザーより